一音@aria

１１日にクラリネットのコンサートに行ってきた。
ロマン・ギュイオさんという若手フランス人奏者。
プーランクのソナタ以外は知らない曲ばっかりだったのだけど、アンコールにやったミヨーのスカラムーシュが印象的だった。（もちろん曲名は後から教えてもらった。）
ＣＤを探すもクラリネットで演奏されたものが出回っていない。

むむー。
金子みすヾの本も本屋になかったし、なんだかなー。
難しいこといってんのかしら、私。

ところでロマン・ギュイオさんという人は私の大学時代のゼミの先生に似ていたのだった。（もっとずーっと若かったけど。）
プロフェッサー“愛の日”。

彼はイギリス人だった。
教室に入ってくるなり、「ハロゥ、エブリボディ・・・」と鼻にかかる声でいつもにこやかに言った。
そして「Ｙｏｕ　can’t・・・」を「ユー　カーァント・・・」と言い、やたら「・・・・・・，aren’t you？」と付加疑問文を多用するのだった。

４回生の時には週にこの１コマしか授業がないのに、なんと堂々と１講目なのだった。
そして微笑みながら、山のような宿題を出し、次々に発言させるので私たちは毎週ヒーヒー言いながら宿題をした。
なんと答えたもんやらわからずに少々沈黙しようものなら、

「意見がないものは存在するべからず」

みたいな勢いで次の人が指名されてしまう。
もちろん、教科書は英語で書かれ、質問も回答も発言も全部イーングリッシュ。
教科書がやたら分厚くて重かったので、毎回破ってここだけ持って行こう、と思いつつ実行できずに卒業してしまった・・・

ロマン・ギュイオさんはフランス人だったので、間違っても「ハロゥ、エブリボディ」とは言わないはずだったが、彼が曲を演奏し終える度に私はいまにもそう言われそうで、期待はらはらしてしまった。「あ・次当たる・・・な・なんて回答しようかしら・・・」と思って。

懐かしかった。
もうあの頃には戻れない、なにもかも。